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編集員・君塚

2018/12/11 18:00
香港ヴァーズの回顧
こんばんは。香港競馬担当の君塚です。まずは前回のコラムの最後に、本来はジョッキークラブCを振り返ると共に、香港C、香港ヴァーズの展望について触れると予告しておきながら、コラム自体をお休みしてしまい申し訳ありませんでした。

その香港C、香港ヴァーズを含めた「香港国際競走」が先日、行われましたが、本日はレースの行われた順番とおり、まずは香港ヴァーズの回顧をお伝えしたいと思います。

今年の香港ヴァーズですが、ご存じのとおり、日本からはエリザベス女王杯で1着のリスグラシュー、そして同レースでクビ差2着だったクロコスミアといった牝馬2頭が出走。一昨年には同じく牝馬のヌーヴォレコルトが4着、スマートレイアーが5着していたことから、牝馬と言っても通用することを証明していましたが、結果はこれもご存じのとおり、リスグラシューがクビ差の2着、クロコスミアは10着に終わりました。

ゴール前ではこのリスグラシューと香港馬で、前走、香港ジョッキークラブCで2着していたエグザルダントの壮絶な叩き合いとなり、一瞬、リスグラシューが前に出たものの最後の最後に差し返されての非常に悔しい2着でした。

矢作調教師は「勝ったと思ったが、最後はモタれた分かな…」と悔しさをにじませながらも、「以前は東京への輸送でも大変だったが、香港に来てこれだけの競馬。メドがついたし、また海外に出ていきたい」と前向きなコメント。

なんやかんやでも、このレースには凱旋門賞で4着のヴァルトガイストや、愛ダービー野優勝馬ラトローブなどもいたのですから、それに先着したことを思えば、出走するかどうかは分かりませんが、ドバイターフあたりを目指してもチャンスはあると思いますので是非、ドバイ遠征してもらいたいですね。

さて、優勝したエグザルダントは日本では6番人気でしたが、地元、香港では2番人気でした(1番人気は日本と同じくヴァルトガイストで、リスグラシューは4番人気)。これを思えば日本で軽視された形でしたが、私が担当した展望では以下のようにお伝えしていましたが覚えていただいていますか?

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チャンピオンズ&チャターCの2着馬Exultant (エグザルタント)は、同じ2400mのG3クイーンズマザーメモリアルCを6馬身差で圧勝しているほか、香港移籍後は2000m以上のレースで6戦して2勝、2着3回、3着1回という成績を残す。前走のG2ジョッキークラブCで2着に入るなど、使われながら徐々に調子を上げている印象で、本番には万全の状態で臨んできそうだ。
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私に言わせればこの馬に、鞍上強化でパートン騎手が騎乗したのですから、ちょっと日本の競馬ファンは軽視し過ぎましたよね。3着のエジーラも…

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Eziyra(エジーラ)は、前走のブリーダーズCフィリー&メアターフでは6着に敗れたものの、それまでは11戦して4着以下なし。今年は2つの重賞を制しているほか、3走前のG1ヨークシャーオークスでは凱旋門賞2着のシーオブクラス(※)やキングジョージ6世&クイーンエリザベスSの3着馬コロネット(※)を相手に3着と頑張った。後方からレースを進める馬であることから、展開面に左右される可能性はあるが、堅実な末脚はここでも魅力だ。JRA移籍前には主戦騎手契約を結んでいたアガカーン殿下の所有馬ということで、今回鞍上を務めるC.ルメール騎手には心に期するものがあるだろう。

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このようにお伝えしていたのですから、もしかするとWRNの会員の方であれば、「ルメール騎手が乗るにしては人気がないな」と思われたかもしれません。私も実は、ルメール騎手が乗るというだけで穴人気になると思っていたのですけどね。

逆にヴァルトガイストはエグザルダントから4馬身半差の5着。最近、大崩れすることがなかった同馬が前走のBCターフでは5着もエネイブルから2秒2離されていた事を思うと、既に体調が下降気味で更に香港への輸送で疲れがあったのでしょうか?

さて、私は香港担当なので話を香港馬に戻しますが、エグザルダントは先ほどもお伝えしたように2400Mで実績を残す馬。香港では2000Mではかなり強い馬が登場しますが、2000年以降、2400Mのこの香港ヴァーズを勝ったのは2頭目。ステイヤーと言うのはどうかと思いますが、2400Mでは相当に強い馬が出現したと言っても良いでしょう。前走は2000Mでも好走していますし、今後の活躍によっては香港を代表する馬になっても不思議ではありません。