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編集局長・近藤

2018/11/12 18:00
メルボルンCはクロスカウンターがV
こんばんは。編集局長の近藤です。本日は先日に行われたメルボルンCを振り返ってみたいと思います。ご存じかと思いますが、今年、このメルボルンCの出走を目指して、日本からチェスナットコート、ソールインパクトがオーストラリアに向かいましたが、残念ながらソールインパクトは除外となり出走することができませんでした。

チェスナットコートは川田騎手を背に出走しましたが、フルゲート24頭という多頭数の競馬。アクシデントはつきものであり、チェスナットコートは内を突く競馬をしたものの、2着となったボウマン騎手騎乗のマルメロに進路をカットされ、川田騎手が手綱を引っ張るシーンもあり、結局14着に終わりました。

矢作調教師もその不利の影響が大きかったとレース後のコメントしているようですが、確かにあれがなければ、もう少し上の順位は狙えたのではないかと思います。気の利いた言葉はこの場では浮かびませんが、チェスナットコートはまだ4歳馬。まだ今後、十分に活躍が期待できる馬なので、このメルボルンC挑戦を糧にして来年も頑張ってもらいたいと思います。(できれば来年も挑戦してもらいたいと思っていますが…)

一方、優勝したのはイギリスのクロスカウンター。先週の月曜日にメールでお送りした“レース展望”でもお伝えしたように、この馬、オーストラリアに着いてから、調教中に自分で自分の脚を蹴って、数針縫うといったアクシデントが発生。それを思うと決して順調ではなかったのですがメルボルンCでは大外から末脚を炸裂させてV。

これまで重賞戦もG2、G3に1度ずつしか出走がなく(G3のゴードンSで勝利)、今回が初のG1挑戦で下が、それで勝つのですから、確かに51キロの軽ハンデも良かったとは思いますが、それ以上にオーナーのゴドルフィン、C.アップルビー調教師がこの馬をメルボルンC向きと判断してオーストラリアに連れてきたのが私は凄いと思います。

さて、今年のメルボルンC、驚いたのはそんなクロスカウンターが優勝したことだけではなく、実はこのメルボルンC、イギリス調教馬の優勝が一度もない中、2着マルメロ、3着アプリンスオブアランとそのイギリス調教馬が上位を独占したのです。(余談ですが昨年はアイルランド調教馬が1、2、3着を独占)

また昨年の優勝馬リキンドリングは76年ぶりの3歳馬による優勝だったのですが、今年のクロスカウンターも3歳馬。それにも少々驚き、更には3着となったアプリンスオブアランは中2日での競馬でここまで好走するのですから、これには大いに驚かされました。

話は飛びますが、先日、アメリカで行われたBCターフで最後までエネイブルを苦しめた2着のマジカルは凱旋門賞にも出走して10着だった後、更にはイギリスのチャンピオンズフィリーズ&メアズSで1着となった後にBCタターフに出走。

つまり、約1ヶ月の間に仏、英、米のG1戦に出走していた訳ですが、これが3歳牝馬なのですから、そのタフさは尋常ではありません。先ほどの中2日で出走してメルボルンCで3着のアプリンスオブアランのこともあって思うのですが、日本の馬はそういった意味では過保護過ぎるような気がします。もちろん馬主さんの都合もあるので、慎重に使われる日本の馬を否定するつもりはありませんが、やはり海外で対等に戦うのであれば、日本馬ももう少しタフさを身につけるべきかもしれませんね。

さて、話をメルボルンCに戻しますが、お気付きの方はどれぐらいいらっしゃったでしょうか?

優勝したクロスカウンターの騎手はK.マカヴォイ騎手、2着マルメロの騎手はH.ボウマン騎手、そして3着のアプリンスオブアランのM.ウォーカー騎手と馬はいずれもイギリス調教馬ですが、騎手はいずれもオーストラリアの騎手なのです。

もちろん、私が考える事が正しいなどと申し上げるつもりはありませんが、何が言いたいかと言えば、やはり各国のレースにおいて、地元の騎手が騎乗するメリットが少なからずあるのではないか?ということです。

つまり、日本調教馬においても、海外でレースをする際に、その鞍上を日本の騎手にこだわる必要はないのではないか?そう思うのです。実際、今回で言えば皆様、良くご存じのボウマン騎手。ウィンクスの鞍上としてだけでなく、オーストラリアを代表する名手であることはご存じだと思いますが、そのボウマン騎手がオーストラリアの馬ではなく、イギリスの馬に騎乗して2着となった訳ですが、これって日本ではなかなか想像もできないレベルの話ですよね?ジャパンCでルメール騎手や武豊騎手が日本の馬でなく、海外から来た馬に騎乗するってことになるのですから。

それでいうと、今後、海外で出走する日本馬において、日本の騎手にこだわらず、現地でその競馬場を何度も経験している地元の騎手を乗せる事も考えるべきだと思うのです。過去に日本では堀厩舎が香港で日本の騎手ではなく、モレイラ騎手を乗せてモーリス、サトノクラウン、ネオリアリズムで香港のG1を勝っていますが、世界を相手にするのならば、そういった考えも必要だと、今回のメルボルンCの結果を見て、改めて感じた私でした。